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2020-2-19

アニメ『イエスタデイをうたって』四角関係を彩るキャスト座談会

大学卒業後の生き方を模索中のリクオ、そんなリクオに出会う不思議な雰囲気の女の子ハル、リクオの大学時代の同級生の榀子、昔から榀子を知る高校三年生の浪。それぞれの中に生まれては消える心の波紋、そのもどかしさを鮮やかにフィルムに息づかせる4人にお話を伺いました。

小林親弘さん(リクオ役)宮本侑芽さん(ハル役)花澤香菜さん(榀子役)花江夏樹さん(浪役)

オーディションに臨む際や、出演が決定したときの想いを教えてください。

小林 オーディションのお話をいただいたとき、すぐに原作を全巻購入して読みました。声優として関わるときに、先に原作を読むべき作品、あえて読まない方が良い作品など、いろんなタイプの作品があると思うのですが、これはきっと読まないとわからないぞ、と思ったんですよね。で、読んでまず思ったのは、これはきっと普通にしゃべっていい作品だということです。変身したり、戦ったりする物語ではないので、声をつくったり張ったりする必要はなく、落ちついて芝居に臨めるな、と。

宮本 私はオーディション前に原作を揃えたのですが、読むのが遅くて4巻くらいまでを読んだところで、オーディションに臨むことになりました。原作って連載中に少しずつタッチが変わっていると思うのですが、オーディションでは読んだところくらいまでの序盤のハルちゃんに合わせて演じたので、音響監督の土屋(雅紀)さんに「それだとちょっと暗いかも」と指摘されたのが印象に残っています。土屋さんにはお世話になっているので、「侑芽ちゃんはもっと明るいでしょ」とディレクションしてくださって、それがありがたかったですね。出演が決定したときに、とても嬉しかったんですけど、同時に共演のみなさんのお名前も伺って、ひええと思いました。特に榀子さんが花澤さんときいて、この恋敵には勝てないんじゃ……と思いました(笑)。

花澤 それは、どういう……(笑)。私もテープオーディションの前に、原作を一気読みして、これはもう絶対にやりたいと思いました。でも、やりたいと思ったからってやれるものでもないですし、榀子さんって、もうちょっと落ちついた大人の声の方がやる役なのかなとも思えましたし、キャストによってがかなり変わってくる役柄とも思ったので、どうなるのかなとドキドキしながら受けましたね。なので、決まったときにはとても嬉しかったです。

花江 原作を読んでまず思ったのは、これをアニメ化するのか!っていうことでした。近年のテレビアニメには、コメディ以外で日常の会話劇をメインに構成する作品がほとんどないので、かなり挑戦的だぞ、と。誇張のないリアルな人間の感情がもろに出ているセリフが多いので、それを表現でたらいいなという気持ちでオーディションを受けました。

作品のどんなところに惹かれましたか?

小林 いわゆる青春群像劇ですよね。大学生前後の若者たちが日々繊細に悩みながら想いを頼りに行動していくのですが、それが上手く行ったり行かなかったり。そんなもどかしいところが魅力と感じています。“行動のできなさ”というリアルですね。体温とか呼吸をすごく感じられる作品で、ことアニメではそういう生々しさは省いて描くことも少なくないのですが、ここではそれを存分に出せるんじゃないか、と惹かれました。

宮本 本当に、そうですね。私は今、22歳(取材当初)で、リクオと同年代なので、わかるところも多くて。

花澤 そう考えると、侑芽ちゃん、めっちゃしっかりしてるなあ(笑)。リクオはやっぱりちょっと頼りないというか……。

花江 優柔不断なところがありますからね。

宮本 でも、何事にも葛藤しちゃうこの感じ、あったなあって思います。

小林 というと、今はそこを抜けて?

宮本 少し前に抜けました(笑)。

小林 頼もしい(笑)。

宮本 こういう表現でいいのかわからないんですが、アニメっぽくない、とてもリアルな感触のある作品ですよね。この年頃特有の焦燥にもとてもリンクしていて、登場人物たちに親近感がわいてくるんです。

花澤 映像も実写の映画とかドラマを見ている気持ちになりましたね。リクオがアパートの部屋でテレビゲームしてるだけで、なぜか絵になってしまう。そこだけ切りとっても惹かれる映像だなあって思います。あとは、やっぱり恋愛模様が魅力ですよねえ。拙くて、もどかしいんですけど、大人になった今でもわかるというか、ここを通ってきたなあっていう人もきっと多いと思うし、今まだこの渦中にいるぞという大人もいるんじゃないかなって。

花江 僕が最初に感じたのは、会話のテンポ感が気持ちいい作品だなあということでした。無言の時間でさえ、作品の一部になっている。なかなか気持ちを決められない彼らの、微妙な心の変化を空気で浮き彫りにしてるんです。「なんで、そういう行動にでるかなあ!」って、つっこみたくなる行動を彼らはしばしばするんですけど、でも、これがリアルな人間の感情なのかなあって。人の心の動きが、本当に繊細に描かれていると思います。そこに共感したり、反発したり、いろいろ心が動かされますね。

演じられるキャラクターをどのように捉えていますか?

小林 リクオは、大学を卒業して、でも、やりたいことが見つけられなくて、アルバイトをしながらアパートで独り暮らしをしている青年です。バイトしているコンビニの裏口でハルちゃんという女の子と出会って、それから大学時代の同級生の榀子さんとも再会して。そんな二人との交流から、リクオの悶々としていた日々が動き出してどう変わっていくのか、というところを演じていきました。

宮本 ハルちゃんは謎の少女で、ひょんなことから『イエスタデイをうたって』の世界にやってくる女の子です……って、あれ? なんか違うかも?

一同 (笑)。

小林 異世界からきた魔法少女みたいになってるぞ(笑)。

宮本 もとい、ハルちゃんは、リクオのことが大好きで、一途に思い続けていく女の子です。私はハルちゃんのことを、強くて、すごくかっこいいなあって思うんです。好きな人に対して、全力でぶつかっていけるのはすごいことだと思うし、恋愛に関わらず普段の生活でも、ハルちゃんを見習わないとって思わされることがすごくたくさんあります。なので、ハルちゃんを演じていて、自分自身、すごく力をもらえました。

花澤 榀子さんは学校の先生をしています。お料理上手で思いやりもあって、ぴしゃっと人にアドバイスできちゃったりもして、すごく完璧に見えるんですけど、実は恋愛に関しては、脆いところがありまして。それには彼女の過去が関係していて、その過去には浪くんが関係していて……という感じです。リクオくんといい感じの雰囲気もあったりするんですけど、でも、このふたりのじれったさったらなくて。本当にジリジリもやもや……「早くはっきりせい!」っていう感じです(笑)。

花江 浪は美術の道を志している男の子なんですけど、性格的にはわりとやんちゃで、普段は思ったことをスパッとはっきり言える、そんな子です。でも、やっぱり恋愛に対しては臆病で、しかも、好きな人というのがかなりハードルの高い相手で。でも、めげずに、がんばっていく。実に応援したくなるキャラクターなんですけど、けっこう辛い目に合うんですよねえ……(笑)。

ご自身と重なるところはありますか?

小林 奥手な感じとか、ちょっと似てなくもないですね。答えが出ないことを悶々と考えてる感じとか……。行動に移すまでに時間がかかっちゃうんですけど、でも、一旦決めたら早くて、なんかよくわからない行動力がある。その辺がちょっと似てるかもしれません。

宮本 私の場合は、ハルちゃんの方が全然強くて、明るくて、ポジティブで。

小林 そう?

花澤 はたから見ていると、すごく似てるなーって思っていたよ?

宮本 ほんとですか? だとしたら嬉しいです! 3、4話くらい収録を重ねたときに、自分の中でハルちゃんにもうちょっと足したいって感じるポイントが出てきた瞬間があったんです。その頃、ハルちゃんと同じくらいにばっさり髪を切ったんですよね。ハルちゃんの気持ち、もっとわかるようになりたいと思いまして。

花澤 すごい! そうだったんだあ!

宮本 花澤さんの髪形に憧れたというのもあるんですけれど……(笑)。

花澤 なんと! まんざらでもなさすぎて、どんな顔をしていいやら(笑)。

宮本 過去一番短く切ったんですけど、花澤さんに憧れつつ、ハルちゃんに少しでも寄ったらなにか変わるかもしれない、と思いまして。

小林 そういえば、はじめての収録の前も、侑芽ちゃん、ヒステリックブルーの『春』っていう曲を聴いてたよね。世代じゃないよね?って思ったんだけど、それも……。

宮本 ハルちゃんだから、“ハル”繋がりで聴いてました。

小林 どんだけストイックな子なんや、と思いました。

花江 すごい。

宮本 必死だったんです。ハルちゃんに近づこうと。

花澤 榀子さんの心の葛藤は、私はすごくわかるなあって感じながら演じました。監督もおっしゃってましたが、榀子を擁護する人は少数派かもしれないんですけど、でも、私、思うんです。待て、と。彼女にも過去があるんだぜ、と。それを考えたら、むやみやたらと行動できない気持ちもわかるし、気持ちだって置いていかれるわけですよ、致し方ない。……ただね、榀子さんはちょっとお料理に頼りすぎのところがあることは否めません。「つくりすぎちゃった」って言って、リクオのおウチに届けちゃったりするので、それは罪深いですね(笑)。

花江 うん。無意識に意図的につくりすぎているところが、きっとありますね。

宮本 でも、朝から南蛮漬けとかつくっちゃうし、すごいんですよねえ。

花澤 そう! すごい! きっと好きな人につくすタイプの人だと思うんですけど、私もきっとそういう人なんじゃないかと自分では思っています(笑)。

花江 僕はというと、実は高校生くらいのときに美術の道を一瞬目指そうかと考えた時期がありまして、なので浪くんの環境がちょっとわかります。体験入学とかもしたんですけど、やっぱりまわりのみんな、すごい絵が上手いんですよ。だから、その中で自分の個性を出していかなきゃいけないというプレッシャーを感じつつ、難しい恋もしてるって、すげえなって思います。二つの不安を抱える浪の気持ちを考えると、めちゃくちゃ大変だろうなって思いますし、彼の前向きさをすごく応援したくなります。何度挫けても立ち上がってトライする。そんなところがいいなって思いますし、見習いたいですね。

アフレコはどのような雰囲気で進みましたか?

小林 明るく楽しい雰囲気だったと僕は思っていますが……。

宮本 和やかでしたね。

花江 小林さんがムードメーカーで、なんかね、無言が苦手なのか、ちょっとでもシーンとすると、話しかけてくれるんですよ。

花澤 お菓子あるよ? とかね。

小林 なんか、心配になっちゃうんですよね(笑)。

花江 小林さんとこれまでも共演はありましたが、がっつり話したのは今回はじめてでしたね。

小林 そうそう、それもうれしかったですね。

宮本 同じ歳なんでしたっけ?

小林 いや、同じ歳なのは(鈴木)達央さんとか寺島(拓篤)くん。あれ? 花江くんは……。

花江 僕は28歳です。

小林 わっか! ほんとに?

花江 ええ、実は(笑)。だから、もう、お兄さんとしてね、現場をひっぱっていただいて。

小林 収録が終わったあとにも、ご飯を食べる機会があったりして、そこでもいろんな話しができましたね。1クールの現場とは思えないくらい、ぎゅっと濃密にやりとりできた感覚があります。

花澤 すごい覚えているのが、みんなですごくいい感じで芝居できたなっていう日の収録後。親さんと侑芽ちゃんと私が残っていて、「今日は良かったね」って言い合ってスタジオを出て、地下のスタジオから階段を上って外に向かったときのことです。階段を登り切ったところで「今日はほんとーに良かった!」って、親さんが仁王立ちしてて(笑)。

宮本 「よし、行くか!(ジョッキをかかげるポーズ)」って誘っていただいたんですけど、私も花澤さんもその日時間がなかったんですよね(笑)。

小林 なので、僕は「そうか、じゃ!」と、ひとり大人しく帰りました(笑)。そんな楽しさあふれる現場でしたね。欲を言えば、一年くらいじっくり取り組んでいたい作品であり、現場でした。

芝居を重ねて、互いに刺激を受けたポイントは?

小林 そんなの、たくさんありすぎますよ。原作や台本を読んで、めいっぱい膨らませて臨むんですけど、現場でどんな空気になるのか読みきれないところがあって、収録に飛びこんで初めて形になっていく、みたいことがすごくありました。

宮本 刺激的でしたね。たくさん考えて臨んでも全然違うものが自分からも出てくるのが不思議です。ただ、収録前はすごく緊張するんですけど、ブースに入ってマイク前に立つと緊張から解き放たれて……。そんなところも、この現場の空気だったなあって思います。

花澤 派手ではないのにひきこまれるシーンがたくさんあって、みなさんの芝居を見ていて、なんて素晴らしいんだろうって思わされてばかりでした。

小林 たとえば、先ほど話した収録後に仁王立ちした回では、他のキャラと感情をぶつけあう局面があったのですが、そのやりとりとか、ものすごく手ごたえがありましたね。あと個人的にすごくグッときたのが、セリフを発しているときだけじゃなくて、発してないときの空気感がめちゃくちゃ良いこと。それはこのチームならではのもので、マイクの前で、すごく感動しました。

花澤 私、侑芽ちゃんと1対1のかけ合いで、榀子がハルちゃんに宣戦布告されるシーンが心に響きました。侑芽ちゃん演じるハルちゃんと向き合って、「ハルちゃん、とってもいい子!」って、そのときダイレクトに感じたんです。それって侑芽ちゃんの力だなあって思いましたね。

宮本 いやいやいや!ほんとに榀子さんに身をゆだねっぱなしでした。ハルちゃんとしては、ずっと迷いっぱなしだったんですけど、でも、音響監督の土屋さんに「そういう迷いがあったほうが、ハルちゃんとしても若者らしくていいんじゃないか」ともいっていただけて。それからは、その不安定さに、ハルちゃんの若さみたいなものの軸を置いていきましたね。

花江 浪の場合は、対話する人によってかなり態度が違ってくるのが特徴だと思います。リクオに対しては、かなりぶっきらぼうで、榀子さんに対しては、どこまでもやさしくて。

小林 リクオへのあたり、本当に強かった……。

花江 その切り替えがすごく楽しくて、収録中には完全に自分の気持ちが浪とシンクロしていました。その分、もどかしい想いを抱えて辛いときには本当に辛かったですけど(笑)。

花澤 浪に対しては、榀子としてもどこか甘えているところがある気がしていて、関係性はずっと変わらないだろうって高を括ってるようなところがあるんですよね。でも、あるとき、浪くんにあるセリフをぶつけられて、榀子としてそれを聞いて、私自身めちゃくちゃハッとして。そのシーンもすごく心に残ってますねえ。

花江 いやあ、花澤さんのお芝居というのが、ちょっとこっちの期待も残ってしまうような絶妙なニュアンスでとんでくるので、もうね、振り回されっぱなしでした。

小林 わかる、わかる、わかる……。

花江 希望をもたされてしまうというね、実に心憎いですね(笑)。

小林 そんな榀子さんと、まっすぐに飛びこんでくるハルちゃんと交流していくリクオですが、僕としては花澤さん、侑芽ちゃんに支えられっぱなしでした。どちらのセリフも自然にグサグサと心に刺さってくるんですが(笑)、いやもう本当に光栄でしたね。

人生の猶予期間……青年たちのモラトリアムな日々が描かれていく物語ですが、そういった人生の季節に個人的な思い入れはありますか?

小林 すごくあります。僕自身、将来のこともなにもかも、ずっともやもやしてきましたからね、かなり最近まで(笑)。だから、宮本さんが、もう抜けたと聞いてすごいな、と。

宮本 もしかしたら、自分が思ってるだけで、まだ抜けてないというか、むしろこれから突入するのかもしれない可能性もありますけどね。ただ、大学のとき、まわりがみんな就活してる中、私だけ芸能関係のお仕事をやらせていただいていて就活してなくて、私はこのままでいいのかなと悩んだりもしたので、それがそういう季節だったのかなあ、と思ったりします。今はそれを抜けて、腹を据えて頑張ろうという気持ちです。

花江 僕も早めに事務所に入ったんですけれど、将来どうしようとかはあまり思わなくて、とにかく早く働きたかったんですよね。

小林 へえ!

花江 なので、モラトリアム的なところはすっとばした感もありますけど、でも恋愛だったり、友情だったりには、そりゃ人並みにもやもやもしてきましたよ。

花澤 花江くんといえば、一回現場でハチが出たときの対処がすごく華麗で。なんて、頼れる人なんだ、と思いました。そして、私はといえば、一生もやもやしていると思います。

一同 (爆笑)。

花澤 『イエスタデイをうたって』の世界観でいうと、私自身、大学時代が一番楽しい思い出がいろいろある時代で。なので、同級生にリクオくんみたいな人がいたら絶対仲良くなってたと思うし、すごくしっくりくるなあって思うんですよね。リクオと榀子のように、同じ思い出を共有できてる存在っていうのもいいなあって思いますし……ずっとモラトリアムに浸っていたいです(笑)。

放送を楽しみにしているみなさんへ、メッセージをお願いします。

花江 時代背景が今よりも昔で、ネットも普及してなくて、コミュニケーションのとり方も今とは少し違って、会って話すのが一番っていう時代の物語です。だから、より心のやりとりが見えるし、そのやりとりが楽しくて。昨今、スマホばっかりを見てしまいがちな方も多いと思うのですけれど、直接人と人でやりとりすることの大切さが自然に感じられると思います。自分に重ねて観る人もいれば、終始もやもやしてみる人もいると思うのですが、でも、自分の背中を押してくれるようなセリフだったり、心に響くセリフにきっと出会えると思います。ぜひ、彼らと一緒に悩みながら日々を過ごし、最後まで見届けていただければと思います。

花澤 日常の切りとり方がすてきで、細かな仕草とか、ここまで動かしてくれるんだって、原作ファンの方にとっても嬉しい作品になるんじゃないかなあと感じています。彼らの恋愛模様をまどろっこしく感じる方もいると思いますが、それこそが魅力。実際、人間の呼吸で生きていたら、こういうことあるよね?というシーンばかりなので、その恋愛模様がどんどん気になって、続きを追ってしまう作品になると思います。原作のマンガをまだ読んでない方は、展開をお楽しみに……ああ、でも、どっちがいいんだろう? 迷うなあ。先にマンガを読むもの乙な気がしますし、放送と同時に読み進めてもいいし……いや、でも、読みはじめたら止まらないと思うよ……。予習するかしないかは各自にお任せしますが(笑)、放送をどうぞよろしくお願いいたします!

宮本 どの年代の方にも共感できるポイントがあると思います。おウチでお酒飲みながらでもいいですし、朝ごはん食べながらでもいいですし、ふわあっとおだやかに見ていただきたい作品です。個人的に私の好きなポイントは登場人物たちの口調が少し古風なところ。私自身はその口調に苦戦したところもあったんですが、この世界観にとても馴染んでいる言葉なのでその音も感じながら、じっくりこの世界に入ってきていただけたら嬉しいです。

小林 ほんとにあらゆる年代の方に観ていただきたいですね。自分が10代のときに見ていたら、「大人ってこんな風にモヤモヤしたりするんだ!?」って思ったことでしょうし、20代だったら、「わかる!」ってなるし、30代としては「おっ、がんばれよ」「オレもそこ通ってきたよ」ってなるし。アナログなやりとりの楽しさ、難しさが描かれていくので、そこに懐かしさを感じたり、新鮮さを感じたり、いろんな見方をしていただけたら、なによりですね。僕ら以外のキャラクターも味のあるキャラクターばかりで、その人間模様から目が離せない作品です。ぜひぜひ、ご期待ください。

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